大手銀行株は50%超の上昇
【不良債権処理から脱出し、ようやく本業での勝負へ】
ある大手銀行幹部は貸出金が増加している原因について、
以下のように語る。
『貸し出しが非常に伸びているというわけではない。やはり不良債権処理に伴う貸出金の減少がなくなってきたことが大きい』
不良債権処理に投じる金額が徐々に減ることで、貸し出しにまわせるお金が増えたことが貸出金増加につながっているようである。バブル崩壊以降、不良債権処理に汲々としてきた銀行業界はようやく「本業」に集中できる環境が整ってきたといえそうだ。
またこのような状況に株式市場が大きく反応している。2005年8月ごろまで停滞していた銀行株の株価が大きく上昇。8月1日から11月14日の期間での株価上昇率を見てみると、日経平均株価が2割弱の上昇にとどまるのに対して、メガバンクグループ3社の平均上昇率は何と6割近くに上っている。
2005年8月から2006年7月の期間でみると、株価上昇率は100%を超えているメガバンクもある。
銀行の業績は景気動向に大きく左右されると言われる。日銀が近いうちにゼロ金利を解除することも、ある程度株価に織り込まれていると思われるが、それにしても凄まじい上昇スピードである。投資家の期待がいかに大きいかを物語っているといえよう。