独占禁止法違反で排除勧告
【大手銀行の行政処分は50年ぶり】
公正取引委員会が、独占禁止法違反に当たるとして、三井住友銀行に排除勧告を出した(2005年12月2日)。中小企業に融資の条件として、「金利スワップ」の購入を強制していたためである。
「金利スワップ」とは、同一通貨の間で、固定金利と変動金利を交換する取引のこと。
たとえば、変動金利で融資を受けても、金利を金利を払うときは固定金利で済むため、将来金利が上昇しても負担が増えなくてすむというメリットがある。しかし、現在のような低金利のままだと固定金利のほうが高くつくため、結局は三井住友銀行が得をする仕組みなのだ。
もっとも、不思議なのは、なぜ4年前から販売されていた商品に対し、このタイミングで勧告が出されたのか?ということ。
実はこれについてそれなりのワケがある。ある全国紙経済部記者の話によると、
『かねてから西川善文・三井住友銀行前頭取と竹中平蔵総務相は親しく、このことは日本郵政公社の初代社長に西川氏が就任したことからも明らか。竹中氏が2002年以降、金融担当大臣だったこともあって、なかなか三井住友銀行には検査の手を出せなかったらしい。しかし西川氏が退任した後、金融庁と公正取引委員会が水面下で積極的に取り組み始めたようだ』
西川前頭取がいなくなった今後が勝負なのは間違いない。