まぼろしとなった「ひたちの銀行」

【誕生間際で合併が断念されたひたちの銀行】

茨城県を地盤とする「関東つくば銀行」と「茨城銀行」が合併し、「ひたちの銀行」が誕生する予定だった。紀陽銀行のように、合併後公的資金を申請する予定でいたようだ。

しかし、関東つくば銀行が土壇場で一方的に合併方針を撤回。関東つくば銀行の説明では、「合併に伴う“のれん代”の償却負担が重い」 とのことであったが、もう一つ大きな理由があった。それは「劣後ローンの返済」。

劣後ローンとは?

つまりは、BIS規制の自己資本比率の基準をクリアするために、資金調達に利用されたということ。この劣後ローンで60億の公的資金を借りており、その返済期限が2013年ということで、新たに公的資金を受け入れる余裕がないという状況。よって合併を断念したようだ。


関東つくば銀行は、この劣後ローンによる公的資金の返済を単独で行うことになるが、2005年3月期・2006年3月期とも最終赤字を記録している。(→ 公的資金の残高と業績

さらに茨城県には、ガリバーであり優良銀行である「常陽銀行」があり、厳しい状況が続いているのは間違いない。

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